■ 落水重ね 三日月奴
落水紙と手漉き和紙を重ね合わせ、月の弧を描くように和紙を継ぐ「三日月奴(みかづきやっこ)」の張り合わせで仕立てた、二重張りの和日傘です。
二枚の和紙が重なることで生まれる、やわらかな陰影。
光を受けるたびに表情を変える、落水重ねならではの一本です。
落水紙(らくすいし)は、漉きたての湿った和紙に水を落とし、水滴の跡を文様として残すことで生まれる和紙。
レースのように繊細な表情をもつのが特徴です。
この落水紙と手漉き和紙を、直線ではなく緩やかな曲線で継ぎ合わせることで、傘全体にやわらかな流れと奥行きが生まれます。
三日月のような弧を描く切り継ぎは、光を受けたときに境目が自然に溶け合い、見る角度によって静かに表情を変えていきます。
表から見たときと、裏から仰いだときで異なる景色が立ち上がるのも、この張り合わせならではの美しさです。
■ 七宝 紅紗
漆黒の雲竜和紙、紅色の手漉き和紙、七宝文様の落水紙を張り合わせて仕立てた一本です。
異なる和紙の重なりが、奥行きのあるやわらかな表情を生み出します。
七宝文様は、円が連なり重なり合うことで生まれる日本の伝統文様。
円は「円満」や「調和」、そして人と人との「ご縁」のつながりを象徴するとされ、古くから吉祥文様として親しまれてきました。
紅色の地に浮かぶ七宝文様は、三日月奴の曲線と重なり合い、やさしく華やかな印象を生み出します。
光の加減によって、紅はやわらかな奥行きを帯び、静かな気品を感じさせる表情を見せてくれます。
曲線で継がれた和紙、重なり合う光、そして七宝の吉祥の意味。
穏やかな華やぎをまとい、日差しの中で美しく映える、辻倉ならではの和日傘です。








